「いびき」を起こす病気にも色々なものがあります

「いびき」の陰には、治療を要する病気が潜んでいることがあります。
ここでは、「いびき」を招きやすい病気をご紹介します。
思い当たる節のある方は、早めに耳鼻咽喉科など、睡眠障害の専門医を受診しましょう。


鼻中隔彎曲症(びちゅうかくわんきょくしょう)

生まれつき、または怪我によって鼻の真ん中を仕切っている鼻中隔(びちゅうかく)が曲がっている状態です。
鼻中隔が曲がることで、鼻を通る空気の流れが乱れ、音が出ます。その音が鼻やのどで共鳴して大きくなり、「いびき」となります。

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鼻中隔穿孔症(びちゅうかくせんこうしょう)

鼻の手術や怪我、または結核や梅毒などのために、鼻中隔に穴が開いてしまった状態です。穴が小さい場合には、鼻呼吸をするたびに笛のような音が出ます。その音が鼻やのどで共鳴して大きくなり、「いびき」となります。

肥厚性鼻炎(ひこうせいびえん)

アレルギー性鼻炎などにより鼻の粘膜が厚くなって鼻づまりを起こすと口呼吸となり、舌がのどに落ち込んで気道は狭くなります。気道が狭くなると、そこを通る空気が振動したり、周りの組織を震わせたりして「いびき」になります。

鼻茸症(はなたけしょう)

アレルギー性鼻炎や鼻の感染症などによって鼻の粘膜が異常に増殖して盛り上がり、キノコ状のポリープになったのが鼻茸です。鼻茸ができると、鼻の気道が狭くなったり、鼻茸自体が震えたりして「いびき」になります。

副鼻腔炎(ふくびくうえん)

いわゆる「ちくのう症」のことです。顔や頭の骨の中には、「副鼻腔」という空洞がありますが、ここに細菌などによる炎症が起きると、鼻の粘膜にも炎症が及んで腫れてしまい、「いびき」の原因となります。

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口蓋扁桃肥大(こうがいへんとうひだい)

いわゆる「扁桃腺が腫れている」状態です。口蓋扁桃に細菌やウイルスがついて炎症を起こして腫れ、気道が狭くなるので「いびき」が出ます。

アデノイド(咽頭扁桃)肥大

のどの奥にあるアデノイドは感染症やアレルギーによって大きくなることがあります。また、アデノイドが生まれつき大きいお子さんもいます。アデノイドが大きくなると、鼻からのどへの出口が塞がれてしまって口呼吸となり、「いびき」をかきやすくなります。

小顎症(しょうがくしょう)

あごが小さいと、口の中が小さくなるので、その結果、舌がのどの方に押されて気道を狭め、「いびき」をかきやすくなります。

巨舌症(きょぜつしょう)

糖尿病の母親から生まれてくる赤ちゃんは、体重が重い、大きな赤ちゃんとなる傾向があります。そして舌が大きいと、赤ちゃんの頃から「いびき」をかくことがあります。

甲状腺機能低下症(こうじょうせんきのうていかしょう)

体の新陳代謝をコントロールしている甲状腺ホルモンが減ってしまうと、体のあちこちがむくみ、のどや舌もむくみます。のどや舌のむくみで気道が狭くなり「いびき」をかくようになります。

上気道抵抗症候群(じょうきどうていこうしょうこうぐん)

睡眠中に気道の抵抗が大きくなり、努力しないと息が吸えなくなった状態で、「いびき」をともないます。呼吸が止まってしまうことはありませんが、血中酸素濃度が低くなるため、夜中に何度も目が覚めます。

多系統萎縮症(たけいとういしゅくしょう)

脳内のオリーブ核や橋(きょう)、小脳などの部位が萎縮する難病です。多系統萎縮症では、肺に近い声帯部で「いびき」のような音が生じます。

睡眠関連うなり(カタスレニア)

睡眠中、深く息を吸った後に長くうなりながら息を吐き出し、この症状が毎晩のように続きます。息を吸うときだけにかく「いびき」とは異なり、この病気の場合は、息を吐き出すときに音が生じます。