CPAP療法とは

CPAP(シーパップ)とは、
「Continuous Positive Airway Pressure」の略で、
日本語では「経鼻的持続陽圧呼吸療法」と言われます。

CPAP療法は、鼻に装着した特殊なマスクから、圧力を加えた空気を送り続けることによって、
気道の閉塞を取り除く治療法で、寝ている間の無呼吸や低呼吸を防ぎます。


現在、睡眠時無呼吸症候群(SAS)のもっとも重要な治療法となっており、欧米や日本国内で広く普及しており、治療効果が高く副作用も少ないため、世界的に睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療法として確立されています。


CPAPを使うと、ほとんどの患者さんが、その日のうちから「いびき」をかかなくなります。朝の熟睡感も得られ、また昼間の眠気も軽くなると言います。
特に、中等症から重症と判定された患者さんに有効で、高血圧などの合併症の予防・改善効果が得られます。
さらに重症の患者さんの場合ですと、CPAPを使わなかった患者さんより長生きすることも立証されています。

CPAP療法には健康保険が適用され、3割負担の場合ですと、1ヶ月当たりの費用の目安は約5,000円です。
健康保険でCPAP治療を受けるためには、毎月1回の外来受診が必要です。


CPAP療法の効果

CPAP療法により、以下のような効果が得られます。

無呼吸・低呼吸、いびきの消失

CPAP療法は、圧力をかけた空気を鼻から送り込むことで気道を広げるため、これまでの閉塞による無呼吸・低呼吸、いびきが改善されます。
患者さんだけでなく、ご家族の方も、いびきに起こされることがなくなり、快適な睡眠が得られるようになります。


低酸素血症、高炭酸ガス血症などの改善

睡眠中の無呼吸・低呼吸は、血液中の酸素濃度を下げる(低酸素血症)だけでなく、肺胞(肺の中で気管支が枝分かれを繰り返し、その末端でブドウの房のようになった、袋状の部分)での酸素と二酸化炭素の交換にも支障をきたし、二酸化炭素の排出が不十分となって血液中の二酸化酸素濃度が増加した状態になります(高炭酸ガス血症)。
CPAP療法により、睡眠中も酸素が取り入れられるようになるので、これらの症状が改善されます。


睡眠の質の向上

無呼吸・低呼吸の状態が続くと、眠りが浅くなり、熟睡できません。そのため、睡眠時間をしっかり取ったとしても目覚めた時に熟睡感がなく、日中の眠気に繋がります。
CPAPを使うことで、質の良い睡眠が取り戻せ、これらの症状が改善します。


高血圧や不整脈などの改善

無呼吸・低呼吸により、乱れていた自律神経の日内変動が整っていくことで、身体の諸症状が改善されます。


CPAP療法のメリット

簡単に治療が開始できる

1回目の通院:問診・診察

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自宅での検査(1晩)

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2回目の通院:結果・治療方法の説明

↓

導入

このように・・・たった2回の通院と4つのステップで導入できます!


患者さんの負担が軽い

手術などと違って身体を傷つけず、負担がかからないので、入院する必要がなく、手軽に導入できます。また経過を見ながら、いつでも中断が可能です。


副作用が少ない

睡眠中に喉の閉塞した部分に圧力をかけた空気を送り込むだけの治療によって日中と同じ空気の通り道をつくり、呼吸が楽になって自然な睡眠状態へと誘われるので、副作用の心配はまずありません。


長期的に使用できる

加齢による変化にも圧力やマスクを調整することで対応が可能なため、長期間にわたる使用が可能です。


費用が抑えられる

CPAP療法は厚生労働省が定めた「保険対象」の治療です。

検査結果により、睡眠時無呼吸症候群の重症度分類で「中等症」以上と判定された患者さんが保険対象となります。なお、1ヶ月に1回の通院が必要です。

CPAPの使用の可否については、医師とのご相談が必要です。


他院様でCPAP管理を受けられている方へ

大学病院や市中の総合病院などでCPAP管理を受けられている患者様より、待ち時間が長くご不便に感じていたり、通院そのものがお手間になっているとのご意見をよく伺います。当院では、当院の近隣にお住まいの方や、通勤・通学などで妙典駅を通られる方でご希望がおありの際は、他院様で受けられているCPAP管理を移すこと(CPAP管理医院を当院に変更)が可能です。ご希望の際は、事前にお電話でご連絡の上で、当院へお越し下さい。CPAP管理医院変更の方法についてご説明させて頂きます。尚、ご相談を頂いた翌月より当院での継続治療が可能となります。

※CPAPの使用の可否については、医師とのご相談が必要です。
※CPAP継続のみの受診の場合は、少ない待ち時間でのご案内が可能な体制となっております。